キットレンズ卒業。ソニーミラーレスで動く子供を撮るレンズ

フルサイズ対応「標準ズームレンズ」比較どちらを買う?

ただ写りが良いだけの写真が撮りたいならば、キットレンズが最高だ。メーカーが最高のコストパフォマンスを発揮できるように、総力を上げてつくりあげたものがキットレンズだからだ。

安い、写りよい、軽いと三拍子そろったレンズはキットレンズ以外ありえない。

だがここではキットレンズを卒業せよといいたい。

そうだ。漢だったら、そうマダムな貴女こそキットレンズを卒業し、迷わず SEL24-70Zを選択してほしい。

なぜなのか?もう聡明な貴方貴女ならうすうす気づいているだろう。

ここではα7系フルサイズミラーレスのキットレンズ「SEL28-70」と「SEL24-70Z」を比較して結論をだすぞ。

24 vs 28mm 広角側の差は圧倒的に残念な結果になる

α7系のキットレンズとはこれだ。特徴としては軽いということだろうか。

比較対象の高性能ズームレンズはこちら。カールツァイス製のアルミ筐体を採用した質感高いモデルだ。

簡単に気になる項目を比較してみる。

SEL2470Z SEL2870(キットレンズ)
焦点距離 24 ~ 70mm 28 ~ 70mm
最短撮影距離 0.4m 0.3 ~ 0.45m
明るさ F4 F3.5 ~ 5.6
重さ 426g 295g

気になるのは焦点距離。広角側が24mmと28mmという違いがあり、価格、写りうんぬんという以前の問題があることがわかる。

例えばこんなシーンはよくある。

自宅の室内で2世代勢揃い。じいちゃんにばあちゃん、お父さんお母さん、息子に娘。六畳でも八畳でも6人全員をおさめようと思うと、かなりの広角が必要だ。

カメライダーの経験では24mmあれば大概のシーンで対応できる。28mmではきつい。35mmでは壁に張りついても入りきらない。

家族旅行でも同じだ。後ろに下がって撮ればいいという意見もあるが、たくさんの人でごった返す観光地でいちいちフレーミングをやり直すことはできれば避けたい。

全員で撮るだけでもストレスなのに、並んでフレーミングをやり直して、もう一度確認してシャッターを切る。もうミラーレス一眼なんて持って行きたくなくなる。

カメライダー
広角側の24mmは家族写真では非常に役にたつのだぎゃ。
たけし
iPhone8で撮ると入り切らいことが多くて嫌になるんだよ。これもどうにかなるの?
カメライダー
iPhone8の焦点距離は28mmに相当する。iPhoneで不満を感じている人は絶対に幸せになれるぞ。

明るさF4通しは暗い室内で差がつきすぎる

キットレンズの正式名称は「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」という。

F3.5-5.6という表示があるだろう。これは明るさがF3.5からF5.6まで変化することを意味する。広角側はF3.5とまあ問題はないのだが、望遠側はF5.6とかなり暗くなる。

室内でも望遠側70mmで撮影するシーンはかなりあるが、望遠での撮影は広角に比べて手ブレしやすい。それに加えてさらにレンズが暗くなるとシャッタースピードまでも遅くなり、さらに手ブレしやすくなる。

キットレンズ SEL2870 で室内を撮るというシーンは、手ブレしてくださいと言っているようなものなのだ。

カメライダーがキットレンズを卒業せよと言っている意味はここにある。レンズの性能に足を引っぱられては写真を撮るのがつまらなくなってしまう。

カメライダー
レンズで手ブレが防げるのであればいいレンズを選ぶべし。
たけし
このおっさん、強引だけど一理あるな。子供のぶれぶれ写真結構あるもんな。

α7 IIIフルサイズを使う意味がなくなるキットレンズの悩ましさ

キットレンズは暗いところは苦手と言いつつとにかく無難によく写りすぎる。記念写真なんてピンとバッチリ、お肌も健康的に写り、背景までしっかり写るからどこにいったのかよくわかる。

iPhoneのポートレートモードなんて下手したらミラーレス一眼の単焦点レンズを使ったのかと思うほどの写真を撮ってくれる。

正直なことを言おう。カメラなんてiPhoneで十分だ。きれいに写すだけならスマホで十分な時代だ。ではなぜ我々はわざわざミラーレス一眼なんて高価で不便なものを使うのか?

それは味である。

スマホ写真では感じられない、味を求めてミラーレス一眼を選択するのだ。ならば、ただきれいに撮れるだけのキットレンズよりも、味わいのあるレンズを選ぶことに意味があるのではないか。

ミラーレス一眼を買うときはレンズなしを選ぼう。そしてより高性能なレンズを自分の目で感じて選ぶのだ。

今回は万能に撮れて、しかもフルサイズ一眼らしい味わい深い写真が撮れるレンズを紹介した。操作性のよいα7 IIIにズームレンズを装着すれば、スマホ写真とは違う世界にきっと満足することだろう。

カメライダー
iPhoneのようなきれいな写真はいらない。とがった撮影をするためにキットレンズは卒業しよう。
たけし
せっかく大枚はたいてフルサイズミラーレス一眼を買ったのに、iPhoneと同じ写真しか取れないなんてもったいないな。いいレンズはリセールバリューも高いし思ったよりもハードル低いかも。

まとめ:決定的チャンスを撮るならSEL2470Zを選べ

室内でのパーティや、旅先での明るさがころころと変わるシーンに対応できるだけの性能を持ったレンズを選ぶべきである。

レンズ性能に足を引っぱられ、手ブレ写真を増産したり、そもそもシャッターが切れずに大事なチャンスを残しておけないなんて悲しい結末になりかねない。

カメラの性能に左右されて写真が残せないという事態だけは避けたいものだ。