a7IIIと元祖小型フルサイズ一眼レフのキャノンEOS6Dを比較
小型軽量化し、価格をグンと安くして、フルサイズ一眼レフを一般のものにした功労者、それはキャノンEOS 6Dだ。フルサイズなんて一生買えないと思っていたボクたちに、手に届く価格と、普段使い可能なサイズで発売してくれたのだから、買うしかなかった。
対して、初心者用カメラとしての認識しかなかったミラーレス一眼に、フルサイズを持ち込んだのがソニーα7だ。
APS-CのEマウントミラーレスにフルサイズをぶち込んでしまったのは、ソニーの計画的犯行だった。あんなに大きなマウントはAPS-Cには必要なかったのだから。
それぞれ、両者すばらしいカメラであることには間違いはない。どちらを買っても満足度は高い。だけど、普通なかなか2台両方を買うことはないだろう。
これからこの2台を買おうと考えている人に、この超主観的おしゃべりが参考になればいいと思う。
ソニーα7IIIとキャノン6Dを比較
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 6Dボディ EOS6D
売り上げランキング: 17,840
ソニー SONY ミラーレス一眼 α7 III ボディ ILCE-7M3
売り上げランキング: 40,007
まずはサイズを比較しよう
EOS 6D | α7III |
---|---|
約144.5×110.5×71.2mm | 約126.9 x 95.6 x 73.7mm |
680g | 565g |
厚みはα7IIIの方が2mm程度厚いが、幅高さともひと回り小さい。数字だとわかりにくけど、高さの15mmって差は大きい。
高さがあるとバッグに入れた時に引っかかて、取り出しにくいし、いれるバッグも限られてくる。これが一番のストレスだから、高さが低いα6000系のミラーレス一眼は圧倒的に使い勝手がいいのである。
EOS 6Dとのサイズ比較はひと回り小さく、100g以上軽いα7IIIの圧勝だ。
厚みだって、仕様表じゃあα7IIIの方が厚いけど、どう見ても薄くね?
EVFかOVFかファインダーの違い
見やすさについては好みの問題もあるが、多くの人は6Dの光学ファインダー(OVF)を見やすいという。仕組みが違うから見え方は全く異なるのだけど、人それぞれの撮影スタイルで好き嫌いが別れると思う。
仕組みを簡単に説明すると、ファインダー越しにリアルに外の景色を見るのがOVF。ファインダー越しに液晶画面を見るのがEVF(電子ビューファインダー)だよ。
α7IIIのEVFのメリット、デメリットをまとめてみる。
- 明るさやホワイトバランスが画面で確認できる
- ピントを合わせる部分だけ拡大表示できる
- 撮影情報が細かく表示可能
- タイムラグがある
オールドレンズでマニュアル操作をしたいなと思っている人は、EVFを使うととてつもないメリットがある。それと、初心者は写真を撮る前から、どんな写真が撮れるのかがわかるから、EVFを使った撮影をおすすめする。撮影がすごく楽になるよ。
どちらも撮影スタイルの違いであって、慣れてしまえば問題はないけれどね。
操作系使いやすいかどうか
α7IIIのボタンはカスタマイズ性が高く、ボタン類にかなり自由に好きな機能を割り当てられる。
対してキャノン6Dもボタンカスタマイズはかなり自由にできるが、それほど多用しようとは思わない。
なぜか?6Dは初期設定さえ終わっていれば、豊富なボタン類だけで快適な撮影が可能だからだ。こなれた操作系はほぼいじらなくもそのまま使える。まあ、ボディが大きな6Dと比較されるα7IIIがかわいそうでもある。
α7IIIでオールドレンズを使用する場合、撮影シーン毎に設定をいじりながら撮影することが多いだろう。この時ボタンカスタマイズが豊富なことはとてもありがたい。
豊富な機能をいじり倒しながら撮影する、これがα7III流かと思う。EVFでピーキング表示をオン・オフし、さらにはピント拡大、フォーカスリングをまわしジャストピントを探してシャッターを切る。
EOS 6DはAFレフ機の使用方法そのものだ。6DでのAFは中央測位点しか使わないので、フレームの中央部でフォーカスをあわせ、フレーミング、シャッターを切るという撮影スタイルになる。
直感的に撮影ができる、テンポのよい撮影が可能なのはやはり6Dだ。
メニュー構成もキャノン6Dは圧倒的にわかりやすくマニュアルを必要としないが、α7IIIはメニューを何度も見返して自分の求める機能を探す必要がある。
ソニーのミラーレス一眼は、操作性に関してはまだまだニコン、キャノンに追いついていないというのが個人的な感想だ。
手にしたときに感じる違いを比べる
やはり6Dはデカイなあという感じ。重さは120g程度の差だが、ボディが太いのでゴツいなと感じる。
ゴツい分、ホールディングはすごくいい。おまんじゅうを握りしめているような、まんまるな安心感とでも言えばわかるだろうか。見かけも角を落として丸い感じがするのがキャノン流だが、手に触れるまんまるさが気持ちよい。
α7IIIは構えた瞬間に、あっ小さいって思える。カメラ持ってますという威圧感がないのが、今風だ。これなら、カフェやレストランでも、萎縮することなくカメラを取り出せるような気がする。
旅行や街歩きに使いたいのならば間違いなくα7IIIをおすすめする。
テーブルにおいた感じも比較
キャノン6Dはいかにもカメラ持ってますという威圧感がテーブルの上から伝わってくる。逆にプロならば最低この程度のいかついカメラを持たなければなめられるかもしれない。
ここ最近のプライベートなお出かけや旅行には、NEX-6、SIGMA dp1 Quattroなどのコンパクト機を持ち歩いていた。テーブルの脇に置く時に、小さいことをすごく意識していたからである。
交換レンズの選択肢
6DのマウントはキャノンEFマウントといい、30年続いている歴史あるマウントである。
長く生産されているから過去のレンズが豊富なのが特徴。シグマやタムロンなどサードパーティ製のレンズもたくさん発売されているのだ。
よって、中古も多く出回っているから選択肢が多いのがうれしい。
α7IIIはソニーEマウントといい、発表されてから20年足らずの新しいマウントである。
発売当初はAPS-C用とみなされていたのだが、2013年にフルサイズα7が発売され、Eマウントはフルサイズも対応する二刀流マウントになる。
ただ、フルサイズの歴史は5年しかないために、過去に生産されたレンズがとても少ない。
よって中古の流通量も少ない上に、サードパーティ製のレンズがないので、この点で言えばニコン、キャノンに完敗だ。
だが、レンズが豊富にあればいいという問題でもなくて、自分が使いたいレンズがあればOKなのだ。このブログでも紹介しているように、α7III用にいいレンズが手に入る。ましてや、オールドレンズを含めると無限の楽しみ方ができるのがα7IIIなのだ。
写りについて
天下のキャノンがつくったコンパクトフルサイズ機が悪いわけがない。画質はプロユースもできるぐらいの品質がある。
キャノンのデジカメの画質ははっきりとした色乗りの濃いものが多いが、6Dはあっさりめだ。
α7IIIは比較できるほど撮影できていないが、いまのところ感じるのは破綻してしまうショットはあまりなく安心して撮れるということだろう。
まとめ
仕事でがっちり撮るならキャノン EOS 6D。
楽しく趣味性の高い撮影ができるのがソニーα7III。
α7IIIはマウントアダプターを使ってオールドレンズを使うのが楽しい。最新のデジタルカメラで、フルマニュアル操作で撮影していると、初めて触ったフィルムカメラを思い出す。
初心に返って写真に向き合える時間をつくってくれるのがα7IIIだ。とてつもなくいい写真が撮れるんだけど、ワクワクした感じがしないのが6D。両者、対極にあるのかも。もっとも使い方次第だけどね。
a7IIIレビューはこちら